1 実用新案の定義

実用新案とは、「製品の形状、構造またはそれらの組合せについて出された実用に適した新しい技術」をいいます。

2 登録要件

登録が認められためには、新規性、創造性、実用性が必要となります。

新規性当該実用新案が既存の技術に属さないこと、いかなる部門又は個人も同様の実用新案について、出願日以前に国務院専利行政部門に出願しておらず、かつ出願日以降に公開された特許出願文書又は公告の特許文書において記載されていないこと
創造性既存の技術と比べて当該実用新案に突出した実質的特徴及び進歩があること
実用性当該実用新案が製造又は使用に堪え、かつ積極的な効果を生むことができること

3  出願から権利化までの手続

出願
願書、明細書(説明書)、図面、要約(概要)、特許請求の範囲(権利要求書)、委任状を提出する必要があります
予備審査
主に、下記の内容が審査されます
・所定様式により出願されているか
・所定の書類が揃っているか
・所定の事項が記載されているか
登録・公告
権利期間 出願日から10年です(特許料を納付しない場合には権利消滅します)

4 特許と実用新案の選択

(1)進歩性の判断

特許と比較して、実用新案の進歩性の判断は、技術レベルが低いものでよいと定められています。しかし、事後的に、実用新案を無効にする場合において、一般的に引用文献を2つまでしか使用することができないため、無効になる率が必ずしも高いとはいえません。一方、実用新案権の侵害における損害賠償が高額になっている場合もあることから、技術的レベルが必ずしも高くない場合であっても、実用新案として権利化を図ることが有効となります。

(2)特許と実用新案と特許を同日出願する場合

実用新案出は、無審査で登録されるため、出願日から6か月程度で権利化することができます。一方、特許の場合には、権利化まで4年程度の期間を要しますが、審査を経ることにより、安定的に権利化を図ることができます。この特徴をうまく利用することにより、市場に早期に供給される模倣品を効果的に差し止めることができます。つまり、特許出願と実用新案出願を共に提出することによって、先に取得した実用新案権により早期に権利行使をし、特許権が付与された後には、実用新案権を取り下げることにより、特許権により、最長で出願日から20年間という長期間の保護を図ることができます。