事後対策 | 伊藤法律特許事務所

模倣品を見つけた場合には、必要に応じて、下記の対策をとることができます。

1.情報及び証拠の収集

どのような対応をする場合にも、まず模倣業者の情報及び模倣品の状況に関する証拠を収集する必要があります。必要に応じて、中国法律事務所又は専門の調査会社を通じて行います。

2.交渉

模倣業者に対して弁護士が作成した警告書を送付し、裁判等を行うことなく、交渉により解決する方法です。交渉により解決できた場合には、迅速かつ、低コストで事件を解決することができるため、非常に有効であり、日本では、一般的に行われる方法です。しかし、中国では、警告書を送付することにより、関連証拠を隠蔽したり、交渉に応じない場合も多いため、必ずしも解決に結びつかない場合もあります。

3.民事訴訟

裁判所に、自己の知的財産権を侵害することを理由に訴えを起こし、模倣品の製造中止、損害賠償請求、謝罪広告の掲載等を求める方法です。中国での知的財産権に関する民事訴訟は、約1万3千件(2012年)と非常に多く、権利者の知的財産権を保護するために、一般的に行われる方法です。ただし、解決までに平均1年程度要し、訴訟費用もかかることがデメリットとなります。

4.行政摘発

中国独自の制度として、行政機関(工商行政管理局)に対して、模倣品の摘発を求めることができます。模倣品の製造中止、模倣品の没収、罰金等を科すことができますが、損害賠償請求は認められません。民事訴訟と比較して、時間と費用をかけずに模倣行為を取り締まることができるというメリットがありますが、複雑な事件の場合には処理がなされないといデメリットがあります。

5.刑事告発

模倣品の権利者の商標を付して販売した場合等は、公安当局に刑事告発を求めることができる場合があります。しかし、この場合には、被害額が多額であるなど行為が悪質であることや、証拠が充分に揃っていることが必要となるなど、現実的なハードルは高いですが、受理してもらうことができれば、模倣品業者に対して、強力なプレッシャーをかけることができます。

6.インターネット上の販売サイトにおける対策

サイト運営者に対しインターネット上における販売サイトの管理者に対して、自社の知的財産権を侵害することを理由に販売中止を申し入れることができます。